才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「……くん、りっくん」
理久斗が目を開けると愛菜の顔があった。
「えっ?」
理久斗は飛び起きた。
「今、りっくんて言った?」
愛菜の顔は真っ赤になった。
コクンと頷く。
「あのね、ずっと呼び方を考えててね(笑)呼び捨ては怒るときにしようと思って理久?とかも考えたけど今日からりっくんて呼んでもいいですか?」
「も、もちろん……愛菜、クラスの片付けは?」
「終わったよ、帰ろうよ」
「き、着替えてくる、待ってて」
部室にダッシュで走っていた。
制服に着替えて出てくると、愛菜が弓道場を閉めてくれていた。
「ごめん、ありがとう、鍵を返してくるから自転車取ってくる?」
「ううん、今日は自転車じゃないの、だから鍵も一緒に返しに行く」
「まだ校内にはたくさん人が残ってるよ、校外に出てからの方がいいんじゃないか?」
「そんなことないよ、行こ!」
愛菜は僕の腕に手を回してくれていた。
僕はいつもの通りグランド側を歩くが愛菜が腕を組んでくるなんて初めてだ。
近い!凄くみんなに見られている。
だって、愛菜はとっても美人だから。
「えへっ、ちょっと恥ずかしいね」
「離れる?」
「いや!(笑)」
もう〜なんだ、愛菜が可愛すぎるんだが……
理久斗は鍵を返して廊下に出ると愛菜は窓の外を見ていた。
あれ?お揃いのキーホルダーがリュックに付いてる。
自転車の鍵に付けてたのに……