才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「お待たせ」と声をかけると愛菜は振り向いて「うん」と答えた。


いつもの門から2人で歩いて出る。




公園に入っていくといつものベンチは知らないカップルが座っていた。


「今日多くない?」


文化祭で結ばれたカップルが多分いるのだろう。


ベンチが空いてなかった。


愛菜も「多いね(笑)」と気付いてる。



「バス停までゆっくり歩くか、愛菜も2日間疲れただろう」



「うん、疲れた」



愛菜から手を繋いできた。



愛菜が積極的だ、急にどうしたんだろう……



「そうだ、愛菜、イルカのキーホルダー、リュックに付け替えたんだな」




「あっ、気づいた?最初にリュックにつけようと約束したのに、私が自転車の鍵につけたからお揃いって誰も気づかないよね」



「まあ……だから僕は人にお揃いって思われるのが嫌なのかと思ってて、僕との付き合いを隠したいのかなと思ってたんだ」




「ごめんなさい、そういう事じゃなくて、本当にたまたま自転車のキーホルダーが割れちゃってね、それで付けてたの、だからこの前鍵を落とした時、すごくショックだったの、りっくんに申し訳なくて」



りっくん……まだ僕は慣れないけど愛菜の言い方は正直可愛いのは間違いない。

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