才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
歩いているとコンビニ前を通る。
「見て、コンビニも生徒がたくさんいる」
「だな」
コンビニを過ぎて次の角を曲がると大通りにでてバス停がある。
理久斗はバス停まで送る。
時間を見るとあと20分でバスが来る予定だった。
バス停から少し離れたところで待つ。
「明日の休みはどうする?」
愛菜に聞いてみる。
「私、ちょっとやりたいことがあるんだけど」
「いいよ、何?」
「えー、まだ内緒」
「ん?どうして?」
「夜に地図を送るから明日の11時にそこへ来てほしいの」
「わかった」
「あと宿題の答えも明日ね」
宿題……
「あっ、宿題は別に気にしなくていいよ」
「どうして?」
「頭のいい愛菜に宿題を出すなんて僕はどうかしてた、ごめん」
「そう?……じゃあ明日ね、りっくんバイバイ」
うっ、可愛い……
愛菜はめちゃくちゃ可愛く手を振りながらバスに乗り込んだ。
バスに乗って席に座ってからも愛菜は笑顔で手を振ってくれた……
バスが見えなくなるまで僕はバス停から動けなかった。
「お兄ちゃん?……お兄ちゃん!ってば」
由依の声でソファでウトウトしていた所を起こされた。
「ん〜何だよ、兄ちゃんは疲れてるんだよ」
「明日、由依の新人戦なんだよ、来る?」
「兄ちゃんはデート、行かない」
「デート?でも咲優ちゃんとは大事な大会は来てくれてたじゃない。最近出かけないから愛菜さんに振られたのかと思って声かけたのにー」
頬を膨らまして怒っている。