才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
文化祭も終わり、弓道部の新人戦が12月の初旬にせまってきていたが、その前に二学期末の期末テストがある。
一学期に成績の悪かった理久斗は今度こそは赤点を取るわけにはいかない。
特進クラスの彼女の彼氏がバカとつきあっていると言われるのは愛菜に申し訳ない。
昼休みに図書館で勉強することを決めた理久斗。
「私も行こうか?」と愛菜は言ってくれたが、とりあえずこの問題集を解くから解らなかったら教えて欲しいと言った。
ちゃんと聞いてねと愛菜は言ってくれた。
週末に答え合わせをしようと愛菜の家に部活終わりに行く約束をした。
「今月にはゴルフのシーズンオフになるから家族が戻ってくるの」
教科書を見ていた理久斗は顔をあげた。
「そっか、シーズンオフね……どっか出掛けるの?」
「年末年始は多分どこかに行くはずだけど、そもそも私の学校とか部活で家にいるわけだからいつもの生活だよ」
「じゃあデートも出来るんだね」
「うん、ここ間違ってる」
「えー」
おっかしいなと問題集を解き直す。
「んー、疲れた」
理久斗は背伸びをして、その長い手は愛菜を包んだ。
「ふふっ、疲れるの早いね」
「きっとそういう所が特進との差なんだろうな」
「まあ、平日も勉強はしてるよ」
「やっぱなー」
理久斗は抱きしめていた手を離して愛菜の両頬に持っていく。
「チャージさせて、いい?」
愛菜は頷いて目を閉じた。