才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
袴に着替えていた一年生が道場の準備をしに部室のドアを開けると小さくきゃー、まただよと声がした。
付き合ってるのかなーと声があがる
「愛菜先輩」
「ん?」
「凛華先輩と本堂くんて付き合ってるんですか?」
「知らない」
「最近、同じ電車で帰ってるのをよく見かけるんですよ」
「まあ部活が一緒なら帰る時間も一緒じゃないの?」
「でも、夏ごろから電車組の男子と帰らなくなったみたいで、凛華先輩の後ろをいつも歩いてるって噂です」
夏合宿の時、そういえば攻めてたよな。
「聞いてみれば?」
「そうですね、大会が終わったら聞いてみる?」と一年生は話していた。
先に行ってますと部室から出ていった。
入れ替わりに凛華が入ってきた。
「おはよう」
「おはよー」
「今ね一年生達が噂してたよ、本堂くんと付き合ってるの?」
「付き合ってないけど、後ろをついてくるのよね、犬みたい(笑)」
「犬って……」
「でも、嫌じゃないみたいよ」
「まあ、凛華が嫌じゃないなら私は何も言わないけどさ」
「うーん、嫌ではないかな」
「そっか」
次々と二年生部員がやってきて、着替えた順に道場に向かった。
今日は練習中の休憩が凛華とは合わなかった。
凛華に相談はまたにしよう。
その代わりりっくんと一緒だった。