才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
「二人して隠さなくても堂々とつきあえばいいのに」
「だから、別に隠してたわけじゃないよ」
私は自分の席についた。
本当だもん……
彼女は言うだけ言って教室から出ていった、きっとあの子に言いにいったのかな。
凛華が教室に入ってきた。
「何があったの?」
「りっくんが教室にきて、私の参考書を間違って持ってたから届けにきてくれただけなのに、いつから付き合ってるのって聞かれたから7月って答えたら、私が早く付き合ってる事を言ってれば告白しなかったとか言い出して……そんなの私のせいじゃないもん」
「勝手だよね」
いつも一緒にいる友達の慶(けい)ちゃんもそう言ってくれた。
「相馬くんモテるからね」
「そうなの?」
「背が高くて目立つよ、優しそうだし、正直私もちょっと気になってたくらい、愛菜の彼氏だったんだね」
「…ごめん」
「ううん、私は告白するつもりもなかったし、愛菜が謝ることじゃないけど、一緒にいるのに話して欲しかったな」
慶ちゃんはトイレに行ってくると教室を出た。
「慶ちゃんと恋愛の話なんかしたことないのに……」
「愛菜……」
チャイムが鳴って凛華は教室に戻った。
授業が始まっても内容は全く頭に入ってこなかった。
六限が終わって凛華が部活に行こうと来てくれたが、集中できないから今日は休むと告げて家に帰った。