才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
愛菜の家に着いてインターフォンを押したが返事がなかった。
電気はついているのに…電話しても出ない。
もしかして拒否されてるのか?
愛菜を傷つけてしまった。
部活を休むなんて僕に会いたくなかったんだろう。
どうしよう……
もう一度インターフォンを押してみるがやっぱりでない。
ん?
庭から音がするのが聞こえた。
バシッ、バシッと同じリズムで音がする。
理久斗は音のするほうへ行ってみた。
そこにはゴルフボールをひたすらネットに向かって打っていた愛菜がいた。
愛菜もゴルフをするんだ……
「…愛菜」
声にびっくりして愛菜は振り向いた。
「りっくん!どうして……」
理久斗は愛菜に抱きついた。
「そんなの彼女が部活を休んだら気になるに決まってるだろ、ごめんな、やっぱり僕がいい加減な断りかたをしたから……っ、本当にごめん、坂下さんに聞いた、そして、バレー部の子にも謝ってきた」
「りっくんのせいじゃないのに」
「グスッ…でも愛菜のせいでもない」
「そうだよ、私達何も嘘は言ってないんだもん」
「だったら何故部活を休んだ?」
「あー、集中できないと思って、それで弓をひいてもフォームも崩しかねないし」
「僕と会うのが嫌なのかもって思った……」
「泣かないで、違うから、ちょっと離れて、汗だくでベトベトしてるし、汗くさいから」
「やだ、離れたくない」
「逃げないから一度離して、りっくん!」
理久斗は離れた。