仮面夫婦を望んだ冷徹な若社長は妻にだけ惚けるような愛を注ぐ。【逃亡不可避な溺愛シリーズ1】
「知っています。時代が時代なら、宗像企業は俺の会社と同等のレベルにまで、行ったでしょうから」
けれど、それはさすがに買いかぶりすぎだ。
そう言おうかと思ったけれど、褒めてもらえるのは純粋に嬉しかった。……まぁ、彼が純粋に褒めているのかは、定かではないが。
「なので、俺は宗像企業に援助をすることを惜しみません。これも、ある程度のメリットがあると考えているので」
彼の目が、芽惟のことを見つめる。
どうやら、彼は何処までも芽惟のことをあきらめるつもりはないらしい。
(それは、ちょっと迷惑かもしれない、けれど)
でも、会社への援助を受けられる。自分一人が愛のない結婚をすることによって、会社が持ち直せる。
……それは、とても素晴らしいことではないだろうか?
「ひとつ、約束してください」
そんな風に思ったら、芽惟の口は自然と言葉を紡いでいた。
「私の父には、これが契約結婚であることを隠してほしいのです。……心配、させてしまいますから」
誰よりも娘の芽惟を思っている正史のことだ。……芽惟が会社のために結婚を決めたと知れば、間違いなく気に病む。
それを理解していたので、芽惟は敦也の目を見てそう言った。
「えぇ、それは構いませんよ」
彼は、了承してくれた。
だったら、芽惟が返す答えはたった一つ。
「この結婚話、お受けいたします」
けれど、それはさすがに買いかぶりすぎだ。
そう言おうかと思ったけれど、褒めてもらえるのは純粋に嬉しかった。……まぁ、彼が純粋に褒めているのかは、定かではないが。
「なので、俺は宗像企業に援助をすることを惜しみません。これも、ある程度のメリットがあると考えているので」
彼の目が、芽惟のことを見つめる。
どうやら、彼は何処までも芽惟のことをあきらめるつもりはないらしい。
(それは、ちょっと迷惑かもしれない、けれど)
でも、会社への援助を受けられる。自分一人が愛のない結婚をすることによって、会社が持ち直せる。
……それは、とても素晴らしいことではないだろうか?
「ひとつ、約束してください」
そんな風に思ったら、芽惟の口は自然と言葉を紡いでいた。
「私の父には、これが契約結婚であることを隠してほしいのです。……心配、させてしまいますから」
誰よりも娘の芽惟を思っている正史のことだ。……芽惟が会社のために結婚を決めたと知れば、間違いなく気に病む。
それを理解していたので、芽惟は敦也の目を見てそう言った。
「えぇ、それは構いませんよ」
彼は、了承してくれた。
だったら、芽惟が返す答えはたった一つ。
「この結婚話、お受けいたします」