冷たいアイツの食べ方 (短)

「ワケわかんねー女……」


自分の意のままにならない。俺を雑に扱う。何故か主である俺の方が、この冬田にされるがままの日々。

この地味地味メイドが、そんなダークホースだったなんて……。なんつー奴を雇ったんだメイド長は。


「坊っちゃま、これを」

「ん?アイス?なんでだよ、これから朝ごはんだろ」

「朝ごはん……」


言い方が可愛いですね――と笑った冬田。俺が敗者のような雰囲気が嫌になって、デカイ両開きの窓を全開にする。


「虫が入ってきますよ。あ、ムシムシってやつですか?」

「お前、もう黙ってくんね?」


だけど、アイスは美味しそうだ。ご丁寧にフルーツまで添えられている。今日も暑そうだしな。これを朝ごはん……朝メシにして、学校行くか。
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