冷たいアイツの食べ方 (短)

「ん、うま」


俺がアイスを食べている間、冬田は珍しく黙っていた。あ、そうか。さっき俺が「黙ってくんね?」って言ったからか。

変なとこで反抗してくるくせに、変なとこで忠実なんだ。まるで犬と猫を足して2で割って、悪魔のエキスを注入したような奴――それが冬田だ。


「あっ、」


すると、いきなり冬田が声を上げた。何かと思えば、なんか知らないデカイ鳥が、冬田の髪の辺りをワサワサ飛んでいる。

いや、でかすぎねぇ?そんな鳥に、なんで好かれてんだよ!

だけど、鳥も身の程を弁えたみたいだ。冬田がギロリとカラスを睨むと、颯爽と飛び去った。

さすが冬田。

もうロボット超えてサイボーグだ。その目から、いつビームが出るんだよ。

いっそ感心して、残り僅かなアイスを口に運ぼうとした。だけど、目の前から、冬田が姿を消した。

いや、実際には……

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