「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
その頃、国の超有名人二人に「師匠」呼ばわりをされる羽目になった、ただの不労所得生活だけを夢見ていた普通(なはずだと本人は思っている)のメイド、ニーナは現在、主人のために調達したとっておきの妖精さん風ドレスを主人の部屋に運んでいた。
このドレスを着せて、ぽいっとエドヴィン王子の前に放り出す。
この時はまだ視力を取り戻せない方のメガネをかけたまま。
そのままエドヴィン王子には、ちょうど今朝方まで叩き込ませた、蜜愛文庫直伝のベッド術を駆使してもらい……主人を快感の虜にさせた後に、元のメガネをリーゼの枕元に忍ばせる。
これが、リーゼ捕獲計画の流れになった。
エドヴィン王子はメガネの件では少々渋っていたが、そこはニーナの得意が炸裂。
元のメガネ云々の本来の目的はエドヴィン王子への嫌がらせであることを隠し、
「きっとリーゼ様は殿下のテクニックでメロメロになりますので、その後であれば正体を明かしても問題がないかと」
などと、適当な嘘をつらつらと並べた。
エドヴィン王子は、この初恋に関しては、良くも悪くもわんこ的素直さを持っているので、師匠からの言葉には何一つ疑うことなく頷いてしまった。
……これがアレクサンドラのセリフであったならば、きっとものすごく疑っていたであろうことを考えると、投げかける言葉とタイミングと人の3つの組み合わせがいかに大事かを思い知らされる。
そんなこんなで、途中で帰ってしまったアレクサンドラはともかく、今朝方まで秘密の訓練をしていたニーナとエドヴィン王子は、ほぼ完徹となってしまった。
ニーナは正直言えば、疲労感でいっぱいだったが、エドヴィン王子はニーナとは反比例して空が明るくなるにつれて、ベッド技の精度が上がって、キレッキレな動きを見せるようになった。
正直、今のエドヴィン王子のベッドテクニックであれば、一度くらいは体験してみたいかもしれないとニーナすら思うほど。絶対しないけど。
(こんな姿、他の国民が知ったらドン引きしかない……)
だが、エドヴィン王子はニーナに約束してしまったのだ。
主人を妻にしたら、一生遊んで暮らしても使いきれないほどのお金を与えると。
正確に言えば、その約束を無理やりするようにニーナは持っていったのだが、エドヴィン王子はあっさり笑顔で「いいぞ」と了承したのだった。
つまり、ニーナの心の中でどれだけ引いていようとも、この先に待つのは薔薇色の未来。
頑張らない理由など、どこにあるのだ。
「とにかく、今日のベッドインで全て決めていただかなくては……」
そう、ニーナがぼそりとつぶやいた時、ふと主人に関するあることを思い出した。
「そういえば、月のものの周期から考えると…………今日したらデキるかも……?」
主人は、この月のものの周期に関しては正確に時を刻んでくれていた。
それは、ニーナが仕え始めてからずっと。
その経験から、今日という日が主人の妊娠Xデーになるかもしれないと、察してしまった。
(まあ、いっそここでデキた方が丸く収まるかもしれない)
王家がデキ婚なんて、聞いたことはなかったが、それもTPO次第。
エドヴィン王子が王妃を手に入れ、自分は不労所得を手にいれる。
そのためなら、このイレギュラーすら利用して見せようと、ニーナは腹をくくった。
このドレスを着せて、ぽいっとエドヴィン王子の前に放り出す。
この時はまだ視力を取り戻せない方のメガネをかけたまま。
そのままエドヴィン王子には、ちょうど今朝方まで叩き込ませた、蜜愛文庫直伝のベッド術を駆使してもらい……主人を快感の虜にさせた後に、元のメガネをリーゼの枕元に忍ばせる。
これが、リーゼ捕獲計画の流れになった。
エドヴィン王子はメガネの件では少々渋っていたが、そこはニーナの得意が炸裂。
元のメガネ云々の本来の目的はエドヴィン王子への嫌がらせであることを隠し、
「きっとリーゼ様は殿下のテクニックでメロメロになりますので、その後であれば正体を明かしても問題がないかと」
などと、適当な嘘をつらつらと並べた。
エドヴィン王子は、この初恋に関しては、良くも悪くもわんこ的素直さを持っているので、師匠からの言葉には何一つ疑うことなく頷いてしまった。
……これがアレクサンドラのセリフであったならば、きっとものすごく疑っていたであろうことを考えると、投げかける言葉とタイミングと人の3つの組み合わせがいかに大事かを思い知らされる。
そんなこんなで、途中で帰ってしまったアレクサンドラはともかく、今朝方まで秘密の訓練をしていたニーナとエドヴィン王子は、ほぼ完徹となってしまった。
ニーナは正直言えば、疲労感でいっぱいだったが、エドヴィン王子はニーナとは反比例して空が明るくなるにつれて、ベッド技の精度が上がって、キレッキレな動きを見せるようになった。
正直、今のエドヴィン王子のベッドテクニックであれば、一度くらいは体験してみたいかもしれないとニーナすら思うほど。絶対しないけど。
(こんな姿、他の国民が知ったらドン引きしかない……)
だが、エドヴィン王子はニーナに約束してしまったのだ。
主人を妻にしたら、一生遊んで暮らしても使いきれないほどのお金を与えると。
正確に言えば、その約束を無理やりするようにニーナは持っていったのだが、エドヴィン王子はあっさり笑顔で「いいぞ」と了承したのだった。
つまり、ニーナの心の中でどれだけ引いていようとも、この先に待つのは薔薇色の未来。
頑張らない理由など、どこにあるのだ。
「とにかく、今日のベッドインで全て決めていただかなくては……」
そう、ニーナがぼそりとつぶやいた時、ふと主人に関するあることを思い出した。
「そういえば、月のものの周期から考えると…………今日したらデキるかも……?」
主人は、この月のものの周期に関しては正確に時を刻んでくれていた。
それは、ニーナが仕え始めてからずっと。
その経験から、今日という日が主人の妊娠Xデーになるかもしれないと、察してしまった。
(まあ、いっそここでデキた方が丸く収まるかもしれない)
王家がデキ婚なんて、聞いたことはなかったが、それもTPO次第。
エドヴィン王子が王妃を手に入れ、自分は不労所得を手にいれる。
そのためなら、このイレギュラーすら利用して見せようと、ニーナは腹をくくった。