「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
数時間後、すっかり朝日が昇った頃にリーゼは目を覚ました。
リーゼはそのまま、眼鏡を探す動作をする。
その間、エドヴィン王子はドキドキと、リーゼと自分の視線が合うのを待った。
ニーナ曰く、そのメガネをかけてしまえば、リーゼは毛穴から生える細い毛すら、はっきり見えるくらいの視力になってしまうという。
少しでもかっこよく見られたいエドヴィン王子は、こっそり練習していたスキンケア、というものを初めて自分で頑張った。
本当は使用人を呼べば良かったのだろうが、使用人をエロテロリスト的幼馴染が金で買収しているのをエドヴィン王子は知っていた。
自分の方が身分が上なはずなのにどうして、という疑問はもはや考えない方が幸せだと思うようになっていたエドヴィン王子は、今日という大事な日は一人でやれることをやりたかった。ヤリたいことは早速ヤれたわけだが。
そんなこんなで、自分史上もっとも磨かれた顔を準備したエドヴィン王子は、リーゼが眼鏡をかけるのを今か、今かと待った。
だが、なかなかリーゼは眼鏡を見つけられない。
胸丸出しで探すリーゼの姿を、ずっと眺めてみたいとも思った一方で、数時間のオアズケで痺れを切らしていたエドヴィン王子は、自分から行動に移すことに決めた。
心の中で、第一声に言おうと決めていた、蜜愛文庫を参考にしたセリフを何度も繰り返しながら。
そして、いよいよその時。
作り声の自分ではなく、本当の自分の声で話しかける。
「俺のことが分からないとはいい度胸だな」
よし、決まった。
これは、参考にと何度も書きとらされた、どSキャラのセリフをちょっと借りた。
「そ、そのお声……まさか……」
リーゼの声が震えていることにすぐ気づいたが、それは相手が自分だったから感動しているのだろう……と、妙なプラス思考で不安を拭い去ったエドヴィン王子だった。
「あ、そうそう、お前のこれは俺が預かってたぞ」
リーゼに眼鏡を渡したエドヴィン王子は、早く自分を見てほしいと、まるで子供がおやつを待つような心地で待った。
「ひい!!お、王子殿下……!?」
「おはよう、リーゼ。気分はどうだ?」
呼び捨てにしろと言ったのは、エロテロリスト。
女は枕を交わした相手に呼び捨てで名前を呼ばれると弱いと教わった。
普段は迷惑極まりないことばかりしてくる幼馴染でも、こう言う知識だけは信用していたエドヴィン王子だった。
「な、ななな何で王子殿下が……」
「何でも何も、ここは俺の部屋だぞ」
「……えっ!?」
「昨日のこと、覚えていないのか?」
「き、昨日とは……」
慌てているリーゼにエドヴィン王子は近づき、耳元でこう囁いてみた。
「俺と結ばれたこと」
「へっ!?」
これももらったアドバイスのうちの1つ。
耳元で囁かれると、性的な興奮を呼び起こすとのこと。
男の自分にはよくわからないが、女はそういうものらしい。
「どうだ、嬉しいだろ?」
「何故です?」
「何故って……俺の婚約者になりたくて、婚約者選抜試験を受けにきたんだろう?」
よし、ここで決める。
「お前は、俺の期待以上の結果を残してくれた。お前以外、俺の妻は考えられない」
君しか俺の妻になって欲しい女性はいないのだと、エドヴィン王子はリーゼの好みの男性になりきって、そのまま数時間前に交わしたばかりの熱いキスをしようとした。
ところが。
「ちがああああああうううう!!」
リーゼは、そのままシーツに頭を突っ伏すとこう叫んでしまった。
急に頭を抱えてからシーツに顔を突っ伏してしまったから。
「私が望んでたのは、王子とアレクサンドラ様のカップルがイチャイチャする場面だったのにー!!!!」
「な、何だって!?」
「どうしてよりによって、私が推しカプの邪魔しなきゃいけないのー!違う違う!そうじゃないー!!!」
そう叫んだかと思うと、リーゼはそのまますっぽんぽんでベッドから抜け出し
「ニーナ!ニーナはいないの!?」
と廊下に飛び出してしまった。
リーゼはそのまま、眼鏡を探す動作をする。
その間、エドヴィン王子はドキドキと、リーゼと自分の視線が合うのを待った。
ニーナ曰く、そのメガネをかけてしまえば、リーゼは毛穴から生える細い毛すら、はっきり見えるくらいの視力になってしまうという。
少しでもかっこよく見られたいエドヴィン王子は、こっそり練習していたスキンケア、というものを初めて自分で頑張った。
本当は使用人を呼べば良かったのだろうが、使用人をエロテロリスト的幼馴染が金で買収しているのをエドヴィン王子は知っていた。
自分の方が身分が上なはずなのにどうして、という疑問はもはや考えない方が幸せだと思うようになっていたエドヴィン王子は、今日という大事な日は一人でやれることをやりたかった。ヤリたいことは早速ヤれたわけだが。
そんなこんなで、自分史上もっとも磨かれた顔を準備したエドヴィン王子は、リーゼが眼鏡をかけるのを今か、今かと待った。
だが、なかなかリーゼは眼鏡を見つけられない。
胸丸出しで探すリーゼの姿を、ずっと眺めてみたいとも思った一方で、数時間のオアズケで痺れを切らしていたエドヴィン王子は、自分から行動に移すことに決めた。
心の中で、第一声に言おうと決めていた、蜜愛文庫を参考にしたセリフを何度も繰り返しながら。
そして、いよいよその時。
作り声の自分ではなく、本当の自分の声で話しかける。
「俺のことが分からないとはいい度胸だな」
よし、決まった。
これは、参考にと何度も書きとらされた、どSキャラのセリフをちょっと借りた。
「そ、そのお声……まさか……」
リーゼの声が震えていることにすぐ気づいたが、それは相手が自分だったから感動しているのだろう……と、妙なプラス思考で不安を拭い去ったエドヴィン王子だった。
「あ、そうそう、お前のこれは俺が預かってたぞ」
リーゼに眼鏡を渡したエドヴィン王子は、早く自分を見てほしいと、まるで子供がおやつを待つような心地で待った。
「ひい!!お、王子殿下……!?」
「おはよう、リーゼ。気分はどうだ?」
呼び捨てにしろと言ったのは、エロテロリスト。
女は枕を交わした相手に呼び捨てで名前を呼ばれると弱いと教わった。
普段は迷惑極まりないことばかりしてくる幼馴染でも、こう言う知識だけは信用していたエドヴィン王子だった。
「な、ななな何で王子殿下が……」
「何でも何も、ここは俺の部屋だぞ」
「……えっ!?」
「昨日のこと、覚えていないのか?」
「き、昨日とは……」
慌てているリーゼにエドヴィン王子は近づき、耳元でこう囁いてみた。
「俺と結ばれたこと」
「へっ!?」
これももらったアドバイスのうちの1つ。
耳元で囁かれると、性的な興奮を呼び起こすとのこと。
男の自分にはよくわからないが、女はそういうものらしい。
「どうだ、嬉しいだろ?」
「何故です?」
「何故って……俺の婚約者になりたくて、婚約者選抜試験を受けにきたんだろう?」
よし、ここで決める。
「お前は、俺の期待以上の結果を残してくれた。お前以外、俺の妻は考えられない」
君しか俺の妻になって欲しい女性はいないのだと、エドヴィン王子はリーゼの好みの男性になりきって、そのまま数時間前に交わしたばかりの熱いキスをしようとした。
ところが。
「ちがああああああうううう!!」
リーゼは、そのままシーツに頭を突っ伏すとこう叫んでしまった。
急に頭を抱えてからシーツに顔を突っ伏してしまったから。
「私が望んでたのは、王子とアレクサンドラ様のカップルがイチャイチャする場面だったのにー!!!!」
「な、何だって!?」
「どうしてよりによって、私が推しカプの邪魔しなきゃいけないのー!違う違う!そうじゃないー!!!」
そう叫んだかと思うと、リーゼはそのまますっぽんぽんでベッドから抜け出し
「ニーナ!ニーナはいないの!?」
と廊下に飛び出してしまった。