「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
アレクサンドラがめくると、まず最初に出てきたのがこんな文章
「妊娠初期にはホルモンバランス?が崩れるから?感情のコントロールがしにくくなる……?」
「はい。そしてこれは、今まさにリーゼ様に起きている現象です」
「ど、どう言うこと!?」
アレクサンドラは身を乗り出してニーナに詰め寄った。
「言葉の通りです。そもそもリーゼ様が何かしらを作るきっかけは、必ず感情があるのです」
その99%は
「推しカプ最高!尊い!!この良さを広めないと人類が滅亡する!ああ、滾るわ〜!!!!!」
という、エドヴィン王子×アレクサンドラカップルに対する激情だったりするのだが。
ただ、現在のそれは普段の創作の様子とはまるで違っている。
「リーゼ様が、破壊をするようになりました」
「何を」
「創作したあれやこれやの全てを、です」
「何ですって……?」
ニーナの発言に、さすがにアレクサンドラも驚いた。
リーゼの華奢で妖精さんの容姿と、破壊という言葉が結びつかないから。
「ちょうどここにくる前の、その処理をしてきたのですが……」
「何を、リーゼ様はなさったの?」
「殿下とアレクサンドラ様の絵を描いては、引き裂いておりました」
「…………なんて?」
「あ、いえ。お二人の顔がどうこうではなく」
「そんなの当然じゃない。この顔は国宝だと思ってるもの」
アレクサンドラのナルシスト発言をスルーする、という術を覚えたニーナは、そのままなかったことにして、大きなため息をついてから
「自分のせいで、推し神様が降臨しなくなったと」
「は」
「だから……お二人の美しい顔がうまく描けなくて、イライラして破いてしまうのだと……」
ニーナにとっては、諸々の言葉はどうでもいい。
ただ、イライラして破くという行為が今までのリーゼのキャラクター像からかけ離れているので、ニーナはじっと観察していたのだ。
その心当たりを、自ら演出して作り上げたのだから。
「アレクサンドラ様、妊娠初期は大体アレしてから2週間以内には発生すると言われているそうです」
「ん?」
「で、今2週間は経ってるわけです」
「そう、ね。だからヤキモキしてるわけだけど」
「からの、この症状です」
ニーナは、アレクサンドラにもわかるように、改めてしっかり指差した。
ホルモンバランスが崩れることによって感情のコントロールがしにくくなる、の部分を。
「あっ!!」
そこでようやく、アレクサンドラもニーナが何を言いたいか理解したのだった。
「妊娠初期にはホルモンバランス?が崩れるから?感情のコントロールがしにくくなる……?」
「はい。そしてこれは、今まさにリーゼ様に起きている現象です」
「ど、どう言うこと!?」
アレクサンドラは身を乗り出してニーナに詰め寄った。
「言葉の通りです。そもそもリーゼ様が何かしらを作るきっかけは、必ず感情があるのです」
その99%は
「推しカプ最高!尊い!!この良さを広めないと人類が滅亡する!ああ、滾るわ〜!!!!!」
という、エドヴィン王子×アレクサンドラカップルに対する激情だったりするのだが。
ただ、現在のそれは普段の創作の様子とはまるで違っている。
「リーゼ様が、破壊をするようになりました」
「何を」
「創作したあれやこれやの全てを、です」
「何ですって……?」
ニーナの発言に、さすがにアレクサンドラも驚いた。
リーゼの華奢で妖精さんの容姿と、破壊という言葉が結びつかないから。
「ちょうどここにくる前の、その処理をしてきたのですが……」
「何を、リーゼ様はなさったの?」
「殿下とアレクサンドラ様の絵を描いては、引き裂いておりました」
「…………なんて?」
「あ、いえ。お二人の顔がどうこうではなく」
「そんなの当然じゃない。この顔は国宝だと思ってるもの」
アレクサンドラのナルシスト発言をスルーする、という術を覚えたニーナは、そのままなかったことにして、大きなため息をついてから
「自分のせいで、推し神様が降臨しなくなったと」
「は」
「だから……お二人の美しい顔がうまく描けなくて、イライラして破いてしまうのだと……」
ニーナにとっては、諸々の言葉はどうでもいい。
ただ、イライラして破くという行為が今までのリーゼのキャラクター像からかけ離れているので、ニーナはじっと観察していたのだ。
その心当たりを、自ら演出して作り上げたのだから。
「アレクサンドラ様、妊娠初期は大体アレしてから2週間以内には発生すると言われているそうです」
「ん?」
「で、今2週間は経ってるわけです」
「そう、ね。だからヤキモキしてるわけだけど」
「からの、この症状です」
ニーナは、アレクサンドラにもわかるように、改めてしっかり指差した。
ホルモンバランスが崩れることによって感情のコントロールがしにくくなる、の部分を。
「あっ!!」
そこでようやく、アレクサンドラもニーナが何を言いたいか理解したのだった。