「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
「ちょっと!ニーナ!今どうなってますの!」
「そ、そんなにくっつかないでください!」
「あの、お二人……そこに居られると少々邪魔なんですけど」
「「声かけないで!今いいところなんだから!!」」
「は、はい……」
予定の喫茶店に先回りをしていたニーナとアレクサンドラは、その喫茶店のウェイトレス服を身に包み、裏手に潜身、扉からこっそりとエドヴィン王子とリーゼの姿を覗いていた。
実際の給仕を担当していたウェイトレスからすると、迷惑極まりない。
ちなみに、窓際で、日当たりが良い1番良い席をアレクサンドラが確保していたおかげで、小説のシチュエーションであれば完璧なシーンが再現できていた。
「今、どんな感じですの?」
「リーゼ様は、目を細めながらではありますが、ケーキを美味しそうに召し上がってますね」
「当然ですわ。この喫茶店の苺ケーキは、貴族のどのご令嬢も1度はお忍びで訪れて食べたいと評判なんですのよ」
「では、アレクサンドラ様も?」
「私は何度か来てますもの」
誰と?という野暮なことは、ニーナは聞かなかった。
「で、肝心の殿下は?」
「紅茶をひたすらおかわりして、リーゼ様の顔を見ては何か言おうとして口ごもる、を繰り返してます」
「あのヘタレ……!こんな良いシチュエーション、一体誰が用意してあげたと思ってるのかしら!!」
我慢できなくなったのか、アレクサンドラは立ち上がり、本物のウェイトレスに顔を向けた。
「ねえ、そこのあなた」
「は、はい!」
「次、あのバカヘタレがお茶のおかわり言ってきたら、代わって頂戴」
「そ、そんなにくっつかないでください!」
「あの、お二人……そこに居られると少々邪魔なんですけど」
「「声かけないで!今いいところなんだから!!」」
「は、はい……」
予定の喫茶店に先回りをしていたニーナとアレクサンドラは、その喫茶店のウェイトレス服を身に包み、裏手に潜身、扉からこっそりとエドヴィン王子とリーゼの姿を覗いていた。
実際の給仕を担当していたウェイトレスからすると、迷惑極まりない。
ちなみに、窓際で、日当たりが良い1番良い席をアレクサンドラが確保していたおかげで、小説のシチュエーションであれば完璧なシーンが再現できていた。
「今、どんな感じですの?」
「リーゼ様は、目を細めながらではありますが、ケーキを美味しそうに召し上がってますね」
「当然ですわ。この喫茶店の苺ケーキは、貴族のどのご令嬢も1度はお忍びで訪れて食べたいと評判なんですのよ」
「では、アレクサンドラ様も?」
「私は何度か来てますもの」
誰と?という野暮なことは、ニーナは聞かなかった。
「で、肝心の殿下は?」
「紅茶をひたすらおかわりして、リーゼ様の顔を見ては何か言おうとして口ごもる、を繰り返してます」
「あのヘタレ……!こんな良いシチュエーション、一体誰が用意してあげたと思ってるのかしら!!」
我慢できなくなったのか、アレクサンドラは立ち上がり、本物のウェイトレスに顔を向けた。
「ねえ、そこのあなた」
「は、はい!」
「次、あのバカヘタレがお茶のおかわり言ってきたら、代わって頂戴」