「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
「どういうこと!?私と殿下がいつ、どこで逢引きしたって!?私はずーーーーーーっと、ニーナと一緒にいたのよ、ねえ、そうでしょう」
「ええ。それはもう、蜜愛文庫の中身を元に、あれやこれやと殿下とリーゼ様の展開の妄想を聞かされていましたから」
中には……リーゼ様は全く問題ないだろうが、あっちは未経験で、かつリーゼのことを妖精さんだと言ってしまうくらいには、恋愛脳内お花畑王子には刺激が強い内容もあった。
そんなことを自分の変態雇い主が知ったらどんな反応をするのだろうか、とニーナは妄想するのが少し楽しかった。
推しカプの片割れとほぼほぼ同じ趣味を持っているのを喜ぶのか、はたまたショックを受けて寝込むのか。
どちらになっても、まあめんどくさいだろうな、という感想が妄想のラストだった。
「いや、俺だってそんなつもりは全くない。が……リーゼ嬢が……道端や噴水の前に連れて行ってくれというものだから」
他にもエドヴィン王子はリーゼに連れ回された、という場所の名前を挙げたが、そこは普通のカップルであれば手を繋いだり、腕を組んで歩くような場所。
エドヴィン王子も普通の状態だったらさぞ嬉しかったに違いない。
だが。
「…………殿下。場所をあげる度にどうして表情が暗くなっていくんです?」
「いや…………その…………リーゼ嬢が俺に、俺とアレクサンドラがいかに推し……?かを語るものだから……」
「あー…………」
あれを、よりによって本人にぶつけたのか、とニーナはエドヴィン王子に同情した。
「ちょっと変装しただけで、全く気づかれないのもどうかと思うし、好きな女性に全く興味がない女性とのカップリング……?がいかに素晴らしいかを語られて……俺はもう……」
「どうしてそこで言い返さないの!へたれ!」
「アレクサンドラ様、きっと無理だったのでしょう。それこそ、言葉を挟ませてもらえるゆとりすらなかったのかと……ですよね、殿下」
「…………いつも、ああなのか?」
「はい」
「本当に?」
「はい」
「…………そうか…………」
ずーんと落ち込むエドヴィン王子と、そんな王子を死んだ魚のような目で見つめるアレクサンドラを見比べながら、ふとニーナは1つの可能性に気づいた。
「やっぱり、その方法がいいのか……」
「ええ。それはもう、蜜愛文庫の中身を元に、あれやこれやと殿下とリーゼ様の展開の妄想を聞かされていましたから」
中には……リーゼ様は全く問題ないだろうが、あっちは未経験で、かつリーゼのことを妖精さんだと言ってしまうくらいには、恋愛脳内お花畑王子には刺激が強い内容もあった。
そんなことを自分の変態雇い主が知ったらどんな反応をするのだろうか、とニーナは妄想するのが少し楽しかった。
推しカプの片割れとほぼほぼ同じ趣味を持っているのを喜ぶのか、はたまたショックを受けて寝込むのか。
どちらになっても、まあめんどくさいだろうな、という感想が妄想のラストだった。
「いや、俺だってそんなつもりは全くない。が……リーゼ嬢が……道端や噴水の前に連れて行ってくれというものだから」
他にもエドヴィン王子はリーゼに連れ回された、という場所の名前を挙げたが、そこは普通のカップルであれば手を繋いだり、腕を組んで歩くような場所。
エドヴィン王子も普通の状態だったらさぞ嬉しかったに違いない。
だが。
「…………殿下。場所をあげる度にどうして表情が暗くなっていくんです?」
「いや…………その…………リーゼ嬢が俺に、俺とアレクサンドラがいかに推し……?かを語るものだから……」
「あー…………」
あれを、よりによって本人にぶつけたのか、とニーナはエドヴィン王子に同情した。
「ちょっと変装しただけで、全く気づかれないのもどうかと思うし、好きな女性に全く興味がない女性とのカップリング……?がいかに素晴らしいかを語られて……俺はもう……」
「どうしてそこで言い返さないの!へたれ!」
「アレクサンドラ様、きっと無理だったのでしょう。それこそ、言葉を挟ませてもらえるゆとりすらなかったのかと……ですよね、殿下」
「…………いつも、ああなのか?」
「はい」
「本当に?」
「はい」
「…………そうか…………」
ずーんと落ち込むエドヴィン王子と、そんな王子を死んだ魚のような目で見つめるアレクサンドラを見比べながら、ふとニーナは1つの可能性に気づいた。
「やっぱり、その方法がいいのか……」