アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
そう言われて、初めて他人を家に入れてしまった。
いや、今までに娘の友人が遊びに来た事はあるが、私自身は忙しくて人を招くなんて時間はなかったし。そう思うと、子どもが手を離れて余裕ができたんだなぁって、実感する。
「迷惑じゃなければ」なんて言われたけど、迷惑だとは思わない。助けてくれるのは、素直にありがたい。でも、なんだろう……さっきから、何か心に引っ掛かる。
「どうぞ」
と、まずは冷えた麦茶を差し出した。
「ああ、ありがとうございます」
郡山くんは、ポロシャツの裾をたくし上げて首元の汗を拭っていた。な、なんて格好してるのよ!!
後ろを向いていたから背中しか見えなかったけど、とても引き締まっていた。40代の身体じゃないでしょう……。なんて羨ま……って、違う違う!
「すみません、はしたなかったですね」
「い、いや、大丈夫……」
二人がけの小さなダイニングテーブルに、向かい合わせで座る。
お互い麦茶を飲んで一休みしたところで、郡山くんが立ち上がった。
「土、散らばると思うので、ベランダでやりますか?」
「そうね、ベランダで……ああっ、ちょっと待って!!」