アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
4・開花したのは、元旦那⁉︎
郡山くんとの「共同プロジェクト」が開始されてから、数日が過ぎた。
あれから、毎日スマホで写真を撮って、観察日誌のように郡山くんに送っている。
一週間経った頃、ようやく双葉の芽が出てきて嬉しくなり、「今朝、芽が出ていたよ!」って、柄にもなくキラキラマークをたくさんつけてメッセージを送ってしまった。
そして現実の仕事はというと、パッケージデザインの案件が終わったので、次は営業部や販売促進部から新商品の広告やポスター、販促用のポップ作りを頼まれる。
その間にキャンペーンなどが入ると、また忙しくなる。それに加えてウェブサイト用の画像素材も用意しなければならないからだ。
「主任、ヘルプです〜」
「どうしたの、三島さん」
「プリンターの調子が悪くて、印刷できないんです〜」
実物大のサンプルを見せるために、絶対に欠かせない印刷機。
中を開けて見るが、紙が詰まったりはしていない。試しにスタートボタンを押してみるが、反応がない。ふと、隣のエラーランプが点灯していることに気がついた。
「あー、感光体ユニットの交換ランプがついてるわ。三島さん、総務へ連絡して新しいのもらってきて」
「わかりました」
今日みたいに、こんなイレギュラーが起こると作業は中断してしまう。
そして、状態が良くなるまでの時間がとても長く感じられて、焦ってしまう。
「お昼までにできます」って、郡山くんに言っちゃったからなぁ……。
時計の針を見ながら、総務へ連絡している三島さんを見守る。
「チーフ! 感光体、発注ミスで社内にないそうです!」
「ええー!」