アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
「あれぇ? チーフ、なんか今日、綺麗になってません?」
「えっ!?」

 確かに、肌や髪の状態は良くなってるけど、そこまで気づいちゃう!?

「恋でもしましたか?」
「してないしてない」

 植物の彼は夫に似てるけど、恋してるかというと、そうでもない。

「楠木さん、いますか?」
「は、はいっ」

 郡山(こおりやま)くんに呼ばれて、声が上擦ってしまった。
 まずい……彼のこと、まだ言ってない。
 言わなきゃ、いけないよね……? どうしよう……。

 バサバサバサッ

「あっ……!」

 緊張のあまり、資料を受け取り損ねて落としてしまった。
 慌てて拾い集める。

「大丈夫ですか? 体調悪いとか?」
「い、いえ、大丈夫です!」

 本当に。彼の“癒し”のおかげで体調はすこぶるいい。

「ところで、例のプロジェクトの進捗(・・・・・・・・・)はどうですか?」
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