アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
 ドキッとしながら、少し彼に近づいた。

「もっとです」

 もっと!? これ以上近づいたら、懐内に入ってしまうのでは!?
 そう思いながらも、恐る恐る近づいた。
 すると、彼は両手で私の頬を優しく包んだ。

「やっぱり、とても疲れています。今すぐ“癒し”が必要です」
「え、えっ?」

 どうやら、私の顔色を見ているようだった。
 疲れているのは、あなたのせいでもあるんですけど!?と言いたかったけれど、彼の手が温かくて、すでに癒しが始まっているようだ。
 純粋でまっすぐな眼差しが、こちらを見ている。
 少し動けば唇が触れそうな至近距離。
 私は耐えられなくなって、離れようとしたが──。

「離れてはダメです」

 と、抱きしめられてしまった。
 うわああああああああ!!
 アラフィフには刺激が強過ぎます!!
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