アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
 奇妙な新婚生活にも慣れてきた頃、娘の(より)が「お祝いしてあげる!」と、今日は久しぶりに家に帰ってくることになった。
 なんだかんだ忙しくて、電話でしか結婚の報告をしていなかったため、依とは今日が初対面となる。
 しかし、今日も業務の量は目まぐるしく、定時で帰れそうになかった。
 幸い、依は家の鍵を持っているので、家に入っていてもいいと伝えてある。それに航くんは定時過ぎで上がれるはずだ。

 でも、何か大切なことを忘れている気がする……。
 なんだったかな? と思っていると、業務中なのに珍しく依からの電話が鳴った。
 何事だろうとスマホを取って廊下に出ると、スピーカーの向こうからけたたましい声がした。


「お母さん! お父さんに似た派手な人が家にいるんだけど!?」


 しまった! 依にミノのことを説明するの忘れてた!
 さすがに不審者と思ったらしく、私は家に帰ってからたっぷりと依に叱られたのであった……。

 だけど、叱られながらも思う。
 旦那様の航くん、人型植物のミノ、娘の依、そして私。
 四人でこうやって同じ空間にいて、

 私、今、幸せだなって。
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