アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
おおっと、これはお決まりの展開ですか?
少し、身構えてしまった。
「すみません、僕が部長の奢りだなんて言ってしまったばかりに、大勢になってしまって気持ちよく酔えなくて。先輩が良ければ、僕を助けると思って付き合ってくれませんか?」
さ、さすが、販売促進部はプレゼン……アピールが上手い……。
私を助けてくれたことをひけらかさず、あくまで奥ゆかしく、最終的には助けて欲しいなどと下手に持っていく……。
なぜ彼が未だに独身なのか、かなり謎だ……。
「あー……。ごめん、私も飲み直したい気持ちはあるんだけど、明日やりたいことがあって」
そう、明日の休日の間に、例の女性からもらった種を植える準備をしたいのだった。
パンプスの予備も買いたいし、確か、ホームセンターの隣に靴屋あったよね?
と、郡山くんの言葉もスルーしたいほど、考え込んでしまっていた。
「やりたいこと……って、何か訊いてもいいですか?」
「へっ? あ、いや、大したことじゃないんだけど、買い物に行きたいの。この間、花の種をもらったから、ガーデニングでも始めようかと思ってホームセンターに……」
「じゃあ、僕が荷物持ちしますよ」
「……えっ!?」