泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
水に感動するステラは最初怖がっていたのが嘘のように足を水にパシャパシャして遊びだす。ジオと手はぎゅっと握ったままだ。
(水って気持ちいい!ふふっ、すごい、楽しい、全然怖くない!って、あ!)
無心で足を水でパシャパシャしていたステラがふと我に返る。自然と握っていた手をたどっていくとジオが笑いを収めきれない顔でステラを見ていた。
「あ、私……はしたない……ごめんなさ」
「いやいや、いいよ?!ステラと遊びたくて来たんだから。楽しそうにしてくれると、俺は嬉しい」
ふやっと柔い笑い顔のジオがぎゅっと手を握ってくれる。本当に嫌じゃないと伝わってきて、またステラの胸に無意味な恋々が咲いてしまう。