泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラが恥じらってパシャパシャを止めてしまったので、ジオはもっとステラを喜ばせてあげたくなってしまった。
「ステラ、さっき約束した魔法見せるね」
「盾魔法ですか?」
ジオがステラの手を握り直して、反対の手で指をパチンと一度鳴らした。
ステラはどこで魔法が起こったのかわからなくて、きょろきょろ見回したが、何も変化は見当たらなかった。
「どこに……」
「見えないけど、ここに一歩上がってくれる?」
「一歩、上がる?」