泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


優しく笑うジオに手を引かれて、言われた通りに水面の上に一歩階段を上るように踏み出す。


素足の裏には見えない板がある感覚がした。


「水面の上に、見えない地面が?」

「正解。盾魔法の基本は壁、つまり平面の板だよ。水面の上に透明の大きな板が置いてあると思って」

「えっと」


ステラが説明を飲み込み切れなくて首を傾げると、ジオはステラの白頭をポンと叩いて快活に笑った。


「水の上歩けるってこと!!」

「あわわわわ、ジオ様お待ちください!」

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