泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオは失敗続きでげんなりして、団長を伺い見た。
団長は手首の先っぽがない右手をジオに向ける。
「親ゆずりの大容量魔力に、
盾魔法を『封印』にまで昇華する天才的感覚、
その才能に驕らない努力家。
上の世代にも下の世代にもお前ほどの盾魔法使いいねぇよ」
「団長はまず褒めて伸ばす良い師匠だよね」
「お前の技術はどう見ても申し分ねぇ」
「じゃあなんで上手くいかないんだよ?」
「結局、やる気がねぇからだろ?」