泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
二人が階段を上り切ると国民憩いの広場がある。団長はジオを伴って広場の端のベンチに腰掛けた。
「お前はどんな犠牲を払っても守りたいものってのが明確じゃない。
マリを助けに行った時も、議会で反対したのはお前だけだったろ。呆れたぞ」
「もっと他にやりようがあるって言っただけだよ」
国王レオナルドが単騎でキドナ国に竜巻を連れていったとき、ジオだけは反対した。
「それが優し過ぎる。
やるときは、容赦なくやれ。
じゃないと奪われて取り返しがつかない」