泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
どこかから優しい魔法が飛んで来て、シャボンの玉がふわふわと子どもたちの周りを舞う。
すると、子どもも大人もシャボン玉を追いかけて遊び始めた。
緩やかで穏やかな光が満ちる広場で、ジオの心だけが重かった。ジオは少女からもらった花冠を握り締めた。
「きちんとやってるのに中途半端って言われると、結構キツい」
「俺が求めてんのは『きちんと』じゃねぇ。
お前の強烈なエゴだ」