泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


「どういうことですの?」


豪勢なドレスに身を包んだユア王女は、眉をしかめて訝しんだ。皺枯れた血色の悪い顔でキドナ国王はニヤリと笑う。


「ステラはお前の妹だ」


キドナ国王の枯れた指先がステラの滑らかで白い頬をそっと厭らしく撫でる。ステラは驚きで喉から声が出なかった。


(わ、私が国王の娘?)

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