泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
口の中がカラッカラだった。信じられないが、ステラの母は同じように王女付きメイドをしていた。
国王に見初められる機会があったとしても不思議ではない。母は父親について一切語ったことがなかった。
「な?!まさか、お父様、メイドとの間に子を?!」
ユア王女はますます眉をしかめて、好色な父親であるキドナ国王の行いに軽蔑の視線を向けた。
「秘め事であったがな。こんなところで役に立つとは」