泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
階段の下は国民憩いの広場だ。
ジオの周りには先ほどより群がる子どもが増えていた。町を歩くとジオの周りは人でいっぱいになる人気ぶりだ。
ステラが気おくれしつつジオの側に寄ると、ジオがにっかりステラに向けて笑った。
「ステラ見てて!今から俺が子どもたちを消しまーす!」
「け、消す?!」
暗殺的単語に敏感なステラは胸が跳ねたが、子どもたちはみんなニヤニヤ笑っていた。
ジオが右手の指先をパチンと鳴らすと、十数人はいた子どもたちがステラの目の前から一気に消えた。
「え?!消えた?!どこに?」