泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

ステラが青い瞳をくりくりさせて驚いたので、大満足のジオはもう一度指をパチンと鳴らした。


すると子どもたちが、さっきまで消えていたのが嘘のように同じ場所に現れた。


「え?」

「もう一回!ジオ!」

「もう一回『消えた消えた』して!」

「はーい、いくぞー」


ジオがまた指を鳴らせば子どもたちが消えて、もう一度指を鳴らせば現れた。


ステラは目の前の現象の意味がわからなかった。ぽかんとするステラの代わりに、周りで見ていた大人たちから拍手が巻き起こる。


「ジオの盾魔法はいつ見ても傑作だな」

「どーも!」

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