泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
さっきまで子どもに囲まれていたジオは、今度は大人たちに囲まれ始めた。
「どういう理屈なの?それは」
「説明してもいいけど、わかんないでしょ?」
ジオが嫌味でもなんでもなく素直にそう言うと、一人の妙齢女性は眉をヒクつかせた。
「ジオの無自覚に上からなところレオ様に似てるわ」
「まあ理屈は何でもいいんだけどよぉ!」
ジオの肩を無理やり抱き寄せるおじさんたちは、ジオをおじさんでサンドイッチして世間話を始める。カルラ国の人たちはどこでもかしこでもお喋り好きだ。
「封印するかどうか揉めてんだろ?議会はよ」