泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「頼んだぞジオ!」
「うーん」
おじさんセットに肩を抱かれたジオを眺めたステラは、首をこてんと傾けた。
(ジオ様が困ってるところって珍しいかも?)
魔法に精通しているカルラ国民でも理解できていないジオの盾魔法は、特殊性が強いようだ。
ステラには話の内容は意味不明だったが、言いにくそうに顔をしかめて眉を下げて笑うジオが困っているのは読み取れた。