泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

身を捩っては潤んだ瞳でジオを見つめるステラに、欲を煽られてたまらなかった。


(まさか誰にでもこうなんじゃ。もしそうだったら、嫌だ。無理。絶対、嫌)


ジオの紫色の瞳に、泣き虫なステラだけが、特別に映っている。


たくさんの人がいるこの国の中で、ステラだけが唯一、光を放っているように見える。


可愛い可愛いと募り続けてきたジオの中に、独占欲が恋の名のもとに大きく花咲いた。


(ああもうこの子。しまっちゃいたいくらい好きだ)

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