泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

潤んだ瞳で見上げる青い瞳、ジオの腕の袖を不安そうに掴んだ小さな手、薄い唇の何もかもが、ジオを煽り続けていた。


(ダメダメダメ、明らかに怖がってる。やめろって俺)


思考は冷静なのに、身体が全く言うことをきかない感覚にジオは陥った。ステラの緩い寝間着の首周りをひっぱりずらして、肩まで素肌を晒してしまうと喉がゴクンと大きく鳴る。


細い首、細い肩、あまりに女らしい線の細さに吸い寄せられる。


(ステラって綺麗)

「ジオ様……!」


名を呼ばれるとますます止まらなくて、ジオはステラの首筋に唇を寄せた。噛みついたりしなかった。


優しく軽く愛しく触れただけ。


「ぁ」

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