泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラはジオに馬乗りにされて驚くほど嫌でなくて、嫌われてないことがわかってむしろ嬉しかった。
花嫁として嫁いで、夜のお役目は果たせていない。だが、求められるとステラの胸は素直に喜んでしまった。
(殺す相手だとしても、好きになっちゃダメな相手だったとしても、だってそれでも……首にキスされて嬉しかったんだもん)
(首にキスして許されるって俺、嫌われてない)
嬉しさを噛みしめ合う二人は、ほてほてした顔で目を合わせてはにかんだ。