泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
いつもの博愛精神でそつなくこなすかと思われていた花嫁相手に、意外と情緒ぐらぐらにされてるらしいジオに議会メンバーはますますほっこり顔が緩んだ。
(へぇ、いい傾向じゃねぇか)
団長はあの時の議会を思い出す。
国王レオナルドとキドナ国がバチバチに揉めて、和平のために花嫁を差し出すから!と条件がついた。
レオナルドは「嫁いらない」ときっぱり断った。
だが、食い下がるキドナ国の熱意に結局レオナルドが折れたのだ。
マリを返せと竜巻で威嚇してしまったのもあって、これ以上外交で揉めたくなかった。