泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「あーうん、もっと慣れてからと思って。今日は連れてこなかった」
王太子ジオの花嫁となれば、王族の一人になる。
議会メンバーとして有無を言わさず参加の身分だ。勝手に連れてこなかったジオにブーブー文句が始まる。
誰も怒っておらず、ジオの花嫁をみんなで可愛がって、新婚夫婦をからかいたかっただけだ。
一番上座に座るレオナルドももちろんご立腹ぷんぷんだ。
「ジオ、お前子兎ステラを独り占めし過ぎな。もっとステラを馴染ませろ」