泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
国王レオナルドに続いて、彼の隣に座った王妃サーシャもぷんぷんしている。
「そうよ、ジオ!ステラちゃんはどうして騎士団の食堂にご飯を食べに来ないの?!私、ずっと待ってたのに!
娘と一緒に食堂で働く夢とか持ってるのに!」
サーシャがぷんぷんすると、ジオナルドが長い腕をサーシャに回して、ご機嫌取りに唇にちゅっとキスをする。
「あ、レオさん今のキッスすっごい美味しい」
「だろ?サーシャのためなら日々努力惜しまないから俺」
議会中でもキスの味を吟味し始める両親に、ジオはハァとため息をつく。