泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
可愛い花嫁を人に見せたくなくなったジオにとっては都合がいいため何も言わなかった。
だが、異国に独りで嫁いで部屋に引きこもれば、皆の心配は妥当だ。
「ジオ、ステラを食堂には連れてこい。みんな心配してるから」
「……わかった」
ぷんおこの王妃サーシャを片腕に抱いて宥めたレオナルドが、ジオに一言告げてこの話は終わった。
話の帰結を見た騎士団代表のイケオジ団長が次の議題を振る。
「よし、ジオの花嫁しまい込み過ぎ問題終わり。次な」
「俺の花嫁問題をわざわざ議題に上げる必要あった?」
「封印問題行くぞー」
「それまた俺の議題!」
ジオが声を上げると議会で笑い声が巻き上がった。
「お前のしまい込み癖は、封印方面で発揮すればいいだろ?」
「努力中……」
国王レオナルドがさっぱり笑うと、ジオはそっぽ向いた。