泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
涙も止んでスースー健やかに寝息を立てるステラと向かい合って寝転んでいる。
頭の中で可愛い!がうるさくて、でもやり過ぎはダメ、でも可愛い!の想いが何百回と錯綜した。
だがやはり、男たるもの欲望には弱くて。
可愛い花嫁が無防備に寝て甘えて服なんて握ってくれたらもう離れられなくて。
ジオはステラを抱き締めるを選んだ。
ステラがジオの服を掴むので、小さな彼女の身体を包み込んで優しく抱き締める。
(あーちっさー!!!可愛い細い折れそうー!!)
腕に抱き締めるとステラの身体の薄さを身体全体で知ってしまった。ステラの白い髪がジオの鼻をくすぐって、甘く薫る。
(抱っこしちゃった……俺に甘えてるの可愛い過ぎる可愛い過ぎる!!ずっと抱っこしてたい!ちっさい身体の感触もっと知りたいってもっと全部触ってみたいって俺こんなことばっかりかよもうーステラ可愛いー可愛さが罪)
小さな身体をぎゅうぎゅう抱き締めに抱き締めて耐えるだけで精いっぱいだ。
独占欲が湧きまくる特別な女の子を抱き締めた長い長い夜を、身体をまさぐることなく可愛いハグに留め耐えたジオは真摯な夫であった。