泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


(でも夜這いされたって、ステラが怯えて逃げ出しちゃったら困るから)


ジオがステラへの想いを焦がしているほど、ステラがジオに心を開いていないのはわかっている。


夜泣いてしまう理由も、

外に出たがらない理由も

教えてもらえてない。


まだ、抱き締めて寝てもいいと許される間柄ではない。


「もっとステラのこと、知らなきゃな」


ジオはステラを優しくゆすって、朝だよと起こした。

ボケっとしながら体を起こして目を擦ったステラは、ジオをぼんやり見つめてふにゃっと笑った。


「ジオ様……おかえりなさい」

(可愛いが過ぎる!やっぱりもう一回抱きたい!)
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