泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「ステラ、ただいま!」
「おかえりなさい、ジオ様」
ステラがにこやかに立ち上がると、ジオは今日はステラがいつもより幾分覇気があることがわかった。
ジオが現れると、途端に赤い鳥は窓の外へ飛んでいく。
「レシピ書いてくれた?」
「はい、書きましたが。カルラ国にはないものがいくつもあって、つくるのはちょっと難しいかと思います」
「大丈夫!俺のこと、信じて?」
レシピを手に持ったジオは、ステラの肩を背中から押して部屋を出て行った。