泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
三人でテーブルにつくと、ジオがサーシャにレシピを渡した。サーシャがレシピにさっと目を通す。
「サーシャ、この料理出してもらっていい?」
「美味しそうな料理ね。何の料理?」
「実はステラのお母さんの味で」
「あ、そういうこと!いいよ、いいよ任せて!」
ジオがステラのために母の味を食べさせてあげたいことを察した母サーシャは、どんと胸を張った。
「あ、いやでもこのレシピの材料は」
「ステラ、見てて?サーシャのご飯魔法はすごいから」
「ではいただきます」
「え?!」
ステラの目の前でサーシャはレシピをビリビリ破いていってしまう。
(なにこれ花嫁イビリ?!)