泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
「キャア!!」
「は、何だこれ?」
手紙の中から零れ落ちた白い髪の毛がベッドの上に散らばる。ステラが恐怖で身を引いたのでジオにぶつかった。ジオはステラの肩を抱いて抱き寄せ、惨状に頭を回す。
(ステラに嫌がらせ?)
手紙で髪の毛を贈る意味はなんだとジオは理解しがたかった。
「いや、なにこれ……!」
震えるステラが取り乱してジオの胸に抱きつくのを、ジオはしっかり受け止めて抱き寄せる。
ジオにもこの光景は異様で恐ろしかった。