泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
花嫁、初夜です
ぐずぐず泣いてしまった結婚式を終えて、ステラは夫婦の寝室へと案内された。
王太子の寝る場所としては質素で、庶民のステラには親近感あふれる小綺麗な部屋だった。
ステラは着慣れないドレスを脱いで着替え、外の空気を吸うためにバルコニーへと足を進めた。
すでに月が上る空には星屑が瞬いていた。
「星が綺麗……お母さんも見てるかな」