泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


騎士団の訓練場に寝転がって青空を見上げるジオの顔の横に、本日も剣が突き立った。

剣の手合わせはルキナの圧勝に終わっていた。


「ジオ!お前、弱すぎ!」

「ごめん、ルキナー俺何も集中してないー!!だああああ!!」


ルキナは訓練場の地面に突き立った剣を抜いて、地面でバタバタ癇癪を起こしているジオの腹へまっすぐ刺した。剣はガチンと固い音を立てて盾魔法に阻まれる。


「危ないってルキナ!」

「刺されても死なないだろ、お前は」

「死なないけど危ないのは危ないだろ!」


足を振り上げてひょいと軽々起き上がったジオは、危ない!とルキナに注意する。


ジオの身体に物理的で鋭利な危険が及ぶと、自動発動した盾魔法がジオを守る。


ジオには剣やナイフを突き刺しても無駄なのだ。


暗殺における常套手段である、

毒殺に刺殺。

どちらもジオには無効だ。

< 243 / 480 >

この作品をシェア

pagetop