泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─


ステラは叫び出しそうな口元を押さえて動悸に胸が張り裂けそうになった。


だが、ジオは顔色一つ変えずに指をパチンと鳴らす。するとなぜか大蜘蛛は真っ二つになって事切れた。


「あ、あれも、盾魔法?」


盾魔法は透明の平面な板だ。大蜘蛛を平面な板で真っ二つ。包丁でストンと切り落とす原理と同じである。


ジオはステラを軽々担いで木の上に置いて、あの大蜘蛛を軽々と真っ二つにできることをステラは知った。


そしてついに、妥当な結論に到着した。


(あれ?こんなにお強いジオ様を殺すなんて、最初から無謀だったんじゃ……)

< 254 / 480 >

この作品をシェア

pagetop