泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラはジオ相手に暗殺なんて不可能であることを知って、気が抜けたような、八方ふさがりの現実にぼんやりしていた。
(どうしたらいいんだろう。私にはジオ様を現実的に殺せないんだ……どうしたらお母さんを救えるの?)
(すごい疲れて見える。そりゃそうだよな。大蜘蛛見るのも初めてだっただろうにいっぱい歩いて)
ステラは思考の沼にハマっていただけだったが、ジオは元気のないステラにうんうん頭を悩ませた。
そして思い当たってしまうのだ。余計なことしか言わない父の助言に。
『足疲れたら、揉んでやれよ?』