泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ステラの肩に乗った赤い鳥は、ステラが差し出した人差し指にぴょんと飛び乗った。珍しく赤い羽根を大きく広げた鳥はどこか自慢げだ。
「今のカルラ国があるのはカルラン様のおかげなんだ」
ジオがカルラン様の話を続けると、今までジオに全く寄り付かなかった赤い鳥がジオの肩に飛び乗ってきた。
「カルラ国は心からカルラン様を敬愛してる」
ジオは首を傾げたが、ステラは赤い鳥の無邪気な様子に微笑んだ。
「カルラン様はお優しい神様なんですね」
「人間が大好きなんだって。
だからカルラン様に会えたら願いが一つ叶う。
なんて言われてる」
「願いが叶う?!」